北海道のインバウンド事情|最新データ・人気エリア・ビジネスの成功ポイント

北海道は、訪日外国人旅行者から高い人気を集めているエリアです。
近年はインバウンドの回復が進み、北海道を繰り返し訪れる外国人リピーターも増えています。
札幌や小樽などの都市観光だけでなく、スキー、グルメ、雄大な自然など、北海道ならではの体験が豊富なのも強みです。
インバウンドビジネスを始めるうえで、今後も大きな可能性がある地域といえるでしょう。
本記事では、北海道のインバウンドに関する最新データや統計、人気エリアを紹介します。
さらに、民泊や観光サービスなどのビジネスで押さえておきたい成功ポイントも解説します。
目次
北海道のインバウンドの特徴・傾向

北海道には、ほかの地域にはないインバウンドの特徴があります。
訪日外国人の動向や観光需要の傾向を押さえると、ビジネスの方向性も考えやすくなります。
東アジアからの旅行者が多い
北海道は、台湾・韓国・中国など東アジアからの旅行者が多い地域です。
地理的に近く、新千歳空港への直行便が充実していることに加え、北海道そのものの知名度が高いことも背景にあります。
札幌や函館、小樽、富良野、美瑛、ニセコなど人気エリアも多く、一度訪れた人が別の季節や地域を目的に再訪するケースも少なくありません。
食のブランド力が強い
北海道には、外国人旅行者にも伝わりやすい「食のブランド力」があります。
海鮮、寿司、ラーメン、乳製品、ジンギスカンなどが代表例です。
「北海道に行ったら、北海道のものを食べたい」と思わせる力があります。
食は、訪日外国人の旅行消費を考えるうえでも重要な観光資源です。
この強みを生かせるのは、飲食店だけではありません。
民泊やツアー、農業体験などにも展開できます。
冬のスキー・雪体験の需要が強い
北海道は、世界的に知られるスノーリゾートを数多く抱えています。
ニセコやルスツをはじめ、トマム、富良野、キロロなどが代表的です。
良質なパウダースノーを求め、世界中からスキーヤーが訪れます。
欧米やオーストラリアなどからも、スキーを目的とした旅行者が訪れています。
一方、台湾や香港などでは、雪そのものが特別な観光資源になります。
スキーをしなくても、雪遊びや雪景色だけで十分な体験価値があります。
北海道のインバウンド向けビジネスの例
北海道の観光資源やインバウンド需要を生かすと、次の例のようにさまざまなビジネスが考えられます。
・古民家民泊・農家民宿
・アドベンチャーツアー
・北海道食材を使った体験型サービス
・雪や自然を生かしたアクティビティ
北海道のインバウンドでは、自然、食、雪、宿泊を組み合わせるのが有効です。
複数の魅力を1つの体験にすると、付加価値を高めやすくなります。
例えば、雪景色を眺めながらサウナや水風呂、外気浴を楽しんだ後、地元食材を使ったBBQまでセットにする方法があります。
北海道のインバウンドに関する統計データ

北海道のインバウンド市場を把握するには、訪日外国人観光客数や宿泊者数などの統計データを確認することが大切です。
主なものを確認していきましょう。
北海道の訪日外国人観光客数推移
2024年度の北海道への訪日外国人来道者数は約283万人となり、前年度比21%増と大きく伸びました。
これは、コロナ禍前の2019年度の約244万人を上回っています。
過去10年間を見ると、2015年度の約208万人から増加し、2018年度には約312万人を記録しました。
その後、コロナ禍を経て、2022年度以降は回復が進み、2023年度は約234万人、2024年度は約283万人まで増加しています。
北海道のインバウンド需要は、再び高い水準に戻りつつあるといえるでしょう。
出典|北海道庁「訪日外国人来道者数(実人数)の推移(平成9年度〜令和6年度)」
北海道の【国籍別】訪日外国人観光客数
北海道への訪日外国人来道者数を国・地域別に見ると、韓国が約84万人で最も多く、次いで台湾が約60.5万人、中国が約46万人となっています。
特に中国は前年度比76%増と大きく伸びました。
また、米国は前年度比59%増、カナダは86%増と、北米からの旅行者も伸びています。
北海道のインバウンドは東アジアが中心ですが、欧州や北米からの旅行者も増えており、市場が広がっていることが分かります。
出典|北海道庁「訪日外国人来道者数(実人数)の推移(平成9年度〜令和6年度)」
北海道の訪日外国人宿泊者数
2025年の北海道の外国人延べ宿泊者数は約1,330万人泊で、全国でも高い水準です。
都道府県別では、東京都、大阪府、京都府に次ぐ全国4位となっています。
前年比では29%増、2019年比でも51%増えており、北海道の宿泊需要が大きく伸びていることが分かります。
出典|観光庁「宿泊旅行統計調査(2025年・年間値(確定値))」
北海道でインバウンドに人気の観光エリア

北海道観光振興機構の2024年度調査では、外国人旅行者の宿泊地として札幌が最多です。
次いで、函館、小樽、洞爺湖、富良野・美瑛、旭川などが上位に入っています。
北海道のインバウンドを分析する際は、道全体だけでなく、エリア別の需要を見ることもポイントです。
ここでは、上位エリアの傾向と人気スポットを紹介します。
札幌エリア
北海道のインバウンドの中心となっているのが札幌です。
道内各地への交通の拠点であり、観光、買い物、グルメをまとめて楽しめます。
定番スポットは、大通公園、札幌市時計台、すすきの、もいわ山などです。
二条市場では海鮮を楽しめ、狸小路商店街は買い物や食べ歩きにも向いています。
札幌近郊の人気観光スポットの1つが、「北海道ボールパークFビレッジ」です。
球場だけでなく、グルメや温泉、宿泊などを一体で楽しめます。
小樽エリア
小樽といえば、小樽運河や歴史ある石造倉庫が有名です。
堺町通りには、ガラス店や洋菓子店などが並び、食べ歩きも楽しめます。
外国人旅行者から注目を集めているのが小樽天狗山です。
映画「Love Letter」のロケ地として、韓国などアジア圏でも知られています。
山頂からは、小樽市街や小樽港、石狩湾を一望できます。
運河とは違った角度から、小樽らしい景色を楽しめるスポットです。
函館エリア
函館では、「景色」「街歩き」「グルメ」を一度に楽しめます。
代表的なのは、世界的にも知られている函館山からの夜景です。
五稜郭公園も、函館を代表する観光スポットとして外せません。
元町エリアでは、教会や洋館が並ぶ異国情緒ある街並みを散策できます。
坂の上から函館港を望む八幡坂も、写真撮影で人気のスポットです。
さらに、金森赤レンガ倉庫があるベイエリアも外国人と相性が良いです。
歴史的な建物の中で、買い物やグルメを楽しめるのが魅力です。
函館朝市では海鮮も味わえるため、北海道らしい食も訴求できます。
富良野・美瑛・旭川エリア
北海道らしい大自然を求める外国人に人気なのが富良野・美瑛です。
富良野では、ファーム富田のラベンダー畑が世界的に知られています。
「ニングルテラス」も、写真映えするスポットとして人気があります。
森の中に小さなログハウスが並び、夜にはライトアップされます。
美瑛では、美しい丘陵風景や幻想的な「白金青い池」が定番です。
旭川を代表するスポットは旭山動物園です。
ラーメンなどのグルメもあり、市内観光だけでも楽しめます。
また、美瑛や富良野方面へ向かう拠点としても便利です。
旭川・美瑛・富良野を周遊するルートも組み立てやすいでしょう。
北海道のインバウンドビジネスの成功ポイント

北海道でインバウンド向けビジネスを成功させるには、「誰に、どのような体験やサービスを提供するのか」を明確にすることが大切です。
ここでは、北海道で民泊を始めたい方に向けて、押さえておきたい成功のポイントを解説します。
ターゲットとする国・地域を明確にする
北海道を訪れる外国人旅行者は、国や地域によって旅行スタイルに違いがあります。
そのため、まずはターゲットとなる国や地域を明確にしましょう。
ただし、「台湾向け」「韓国向け」だけでは少し大まかです。
できれば、年齢や家族構成、所得層まで絞り込むのがおすすめです。
例えば、次のような設定が考えられます。
・韓国人の20〜30代向け
・香港、シンガポールの富裕層向け
ターゲットが具体的になるほど、宿泊施設やサービスの特徴を出しやすくなります。
広告やSNSでも、ターゲットに合わせた情報発信がしやすくなります。
繁忙期と閑散期を踏まえて料金を設定する
北海道は、エリアによって繁忙期と閑散期が大きく異なります。
一例として、ニセコなどのスキーリゾートでは冬の需要が強くなります。
一方、富良野や美瑛では、花や景観を楽しめる夏に需要が高まります。
まずは、自分が参入するエリアの年間需要や推移を把握しましょう。
北海道で民泊を始めたい場合は、AirbnbやBooking.comなどで競合施設の料金を調べる方法もあります。
曜日や季節によって、料金がどの程度変わるかを確認してみましょう。
需要が高い時期は、料金を上げても予約を獲得できる可能性があります。
反対に、閑散期は料金を下げるだけでは限界があります。
連泊プランや季節限定の体験を用意するなど、別の対応も考えましょう。
COCO VILLA ニセコの月別運営実績

実際に当社が運営する「COCO VILLA ニセコ」の売上を見ると、2026年3月は231,200円、4月は139,721円でした。
その後、6月は469,881円、7月は544,757円、8月には954,567円まで伸びています。
| 対象月 | 売上高 | ADR | 一般宿泊の稼働率 |
| 2026年3月 | 231,200円 | 46,240円 | 16.1% |
| 2026年4月 | 139,721円 | 34,930円 | 13.3% |
| 2026年5月 | 275,999円 | 46,000円 | 19.4% |
| 2026年6月 | 469,881円 | 36,145円 | 43.3% |
| 2026年7月 | 544,757円 | 36,317円 | 48.4% |
| 2026年8月 | 954,567円 | 63,638円 | 48.4% |
| 指標 | 実績 |
| 月間売上の最高額 | 954,567円 |
| 月間売上の最低額 | 67,610円 |
| 最高月と最低月の差 | 約14.1倍 |
| 月間ADRの最高額 | 82,895円 |
| 一般宿泊の稼働率 | 3.2〜48.4% |
2026年3月から8月までの実績では、売上が最も低かった4月と、最も高かった8月で約6.8倍の差が生じました。
8月は稼働率だけでなくADRも上昇しており、需要が高まる時期に適切な料金を設定することが、売上の確保につながったと考えられます。
また、ニセコは冬のスキー需要が注目されやすいエリアですが、この実績からは、夏にも一定の宿泊需要を取り込める可能性がうかがえます。
冬だけに依存せず、グリーンシーズンの自然体験や長期滞在などを訴求することも、年間売上を安定させるポイントです。
立地ごとのニーズを取り込む
民泊を運営する場合は、立地に合った特徴を持たせることが重要です。
例えば、札幌などの都市部では、交通の利便性や買い物のしやすさが重視されます。
大人数で泊まれる施設や、駅に近い宿も需要を取り込みやすいでしょう。
一方、ニセコや富良野などでは、宿泊そのものが旅行体験になります。
景色の良い民泊やサウナ付き施設なども差別化につながります。
また、農村部なら、古民家や農業体験を組み合わせる方法もあります。
多言語で予約・案内できる環境を整える
北海道のインバウンドビジネスでは、多言語対応は欠かせません。
英語だけでなく、中国語や韓国語への対応が必要になる場合もあります。
現在は、生成AIや翻訳ツールが普及し、多言語化のハードルも下がっています。
問い合わせへの返信や簡単な案内にも活用できます。
ただし、AI翻訳をそのまま掲載するのは避けたほうがいいでしょう。
不自然な表現や誤解を招く文章が含まれていないか確認してください。
可能であれば、対象言語に詳しい人に確認してもらうといいでしょう。
北海道ならではの体験を提供する
インバウンド向けビジネスでは、「北海道である理由」をつくることも大切です。
北海道には、雪や食、自然など豊富な観光資源があります。
これらを組み合わせることで、独自性のあるサービスをつくれます。
例えば、冬なら雪遊びとサウナ、地元食材の食事を組み合わせる方法があります。
夏なら農業体験やサイクリング、BBQなども考えられるでしょう。
単に宿泊施設や商品を提供するだけでは、価格競争になりがちです。
まとめ

北海道は、訪日外国人観光客を引きつける観光資源が豊富です。
インバウンドビジネスでは、統計データから需要を分析し、ターゲットや立地を明確にしたうえで、その地域ならではの体験を提供することが大切です。
「& やど管理」では、民泊・別荘の運営を幅広くサポートしています。
予約管理や外国人宿泊者への対応など、運営にかかる負担を軽減しながら、安定した経営を目指せる体制を整えています。
北海道で民泊や別荘を運営し、インバウンド需要をしっかり取り込みたい方は、ぜひ「& やど管理」へご相談ください。
