利益が出ない民泊の原因とは?儲かる体質へ改善する5つの方法

「民泊を始めたものの、思ったほど利益が出ない」
「予約は入っているのに赤字が続いている」
このような悩みを抱える民泊事業者は少なくありません。
利益が出ない民泊には、共通した課題があります。
収益を改善するには、まず原因を見極めることが大切です。
本記事では、利益が出ない民泊の原因と改善方法、収支シミュレーションなどについて解説します。
民泊の収益を改善したい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
民泊は本当に利益が出ないビジネスなのか?

「民泊は利益が出ない」という意見も一部ありますが、実際はどうなのでしょうか。
観光庁のデータによると、住宅宿泊事業法に基づく民泊の届出件数は、2026年7月時点で累計65,837件に達しています。
一方、廃止件数は約2万2,000件を超えており、累計届出件数の約36%に相当します。
数字だけを見ると、民泊は厳しいビジネスのように感じられるかもしれません。
しかし、宿泊需要そのものは拡大しています。
全国の住宅宿泊事業における2カ月間の宿泊日数は58万146日となり、前年同期比145.2%に増加しました。
宿泊者数も62万9,216人となり、前年同期比135.2%に増加しています。

以上を踏まえると、民泊全体の需要がなくなっているわけではありません。
撤退する事業者がいる一方で、宿泊者数や利用日数は増えており、施設によって「収益の差」が生じていると考えられます。
このデータから分かるのは、民泊は一律に利益が出ない事業ではなく、運営方法によって明暗が分かれるビジネスだということです。
参照:観光庁|住宅宿泊事業法に基づく届出及び登録の状況(令和8年5月15日時点)
利益が出ない民泊に共通する原因とは?

利益が出ない民泊には、いくつかの共通点があります。
予約が入らず売上が伸びないケースだけでなく、一定の稼働率を確保していても、宿泊日数やコスト構造、競争環境などの問題によって利益が残らないケースも少なくありません。
利益が出ない民泊を立て直すには、まず「民泊施設の収益を圧迫している原因」を把握することが先決です。
ここでは、民泊で利益が出ない代表的な原因を紹介します。
(2)エリア選定を誤っている
(3)運営コストをかけすぎている
(4)差別化ができていない
(5)競争が激化している
宿泊日数が少ない
宿泊日数の少なさは、民泊で利益が出ない原因の1つです。
住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づいて運営する民泊は、年間の宿泊日数が180日以内に制限されています。
ホテルや旅館のように通年で営業できないため、年間売上が低くなりやすいです。
さらに、予約受付日を限定している場合や、自治体の条例で営業できる曜日・期間が制限されている場合も、宿泊日数が少なくなります。
宿泊単価や稼働率が一定水準に達していても、宿泊日数そのものが少なければ売上を確保できません。
エリア選定を誤っている
エリア選定の誤りも、民泊で利益が出ない大きな理由です。
民泊の収益性は、立地するエリアの宿泊需要に大きく左右されます。
観光客や出張者が少ない地域では、安定した稼働率を確保するのは困難です。
また、観光地に近くても、次のような条件に当てはまると、選ばれにくくなります。
・公共交通機関が少ない
・周辺に飲食店や商業施設がない など
エリアそのものに十分な宿泊需要がなければ、運営方法やサービスを工夫しても収益を伸ばすことには限界があります。
運営コストをかけすぎている
一定の売上があるにもかかわらず利益が出ない民泊は、運営コストが膨らんでいる可能性があります。
宿泊日数や宿泊単価などに大きな問題がなくても、支出が多ければ利益は残りません。
「それなりに予約は入っているが儲からない」という状態は、コスト構造に問題がある典型的なパターンです。
民泊では、主に次のような費用が発生します。
・運営代行費(管理委託費)
・清掃費、リネン費
・光熱費、通信費
・消耗品費、修繕費
・家賃や借入金の利息 など
1つひとつの支出は少額でも、積み重なれば売上に占める経費の割合が高くなります。
差別化ができていない
宿泊需要のあるエリアで利益が出ない民泊は、競合施設との差別化ができていない可能性があります。
特に、民泊が集中する観光地では、同程度の広さや設備、内装、サービスを備えた施設が数多く存在します。
特徴が乏しい施設は、OTAの検索結果で他の物件に埋もれやすく、宿泊者に選ばれにくくなります。
立地や設備、サービスで明確な優位性を示せない場合、宿泊料金の安さが主な比較材料になります。
その結果、予約を獲得するために値下げを繰り返し、稼働率が上がっても十分な利益を確保できない状態に陥りやすいです。
競争が激化している
開業当初は収益を確保できていたのに、最近になって利益が出ない民泊は、周辺エリアの競争環境が変化している可能性があります。
新規参入によって民泊やホテルが増えると、同じエリアを訪れる宿泊者が複数の施設に分散します。
地域全体の宿泊需要が変わらなくても、供給される客室数が増えれば、1施設あたりの予約数は減少しやすくなります。
空室を避けるために各施設が値下げを始めると、価格競争が進み、エリア全体の宿泊相場も下がります。
その結果、稼働率だけでなく、平均宿泊単価や利益率まで低下します。
利益が出ない民泊を改善する5つの方法

ここまで、民泊で利益が出ない主な原因を解説してきました。
民泊施設の課題を把握したら、原因に合った対策を講じることが大切です。
原因を明確にしないまま、設備をむやみに増やしたり、宿泊料金を安易に下げたりしても、十分な効果が得られるとは限りません。
費用対効果を確認しながら、施設の課題に適した方法を選びましょう。
ここからは、利益が出ない民泊を改善する5つの方法を紹介します。
(2)売却や用途転換を検討する
(3)運営コストを見直す
(4)差別化を図る
(5)繁忙期や週末の収益を最大化する
宿泊日数を増やす
宿泊日数の少なさが原因なら、まずは予約を増やす対策が必要です。
住宅宿泊事業法に基づく民泊は、年間の宿泊日数が180日以内です。
ただし、上限の範囲内でも安定した利益を得ている施設はあります。
次の施策を行い、稼働率を高めましょう。
・過去の宿泊者に再訪を促す
・期間限定で宿泊料金を下げる
ただし、安易な値下げは利益率を低下させるため、対象期間や割引幅を慎重に設定する必要があります。
観光需要が高いエリアでは、旅館業への切り替えも選択肢です。
売却や用途転換を検討する
宿泊需要が少ないエリアでは、運営を工夫しても利益が出ない場合があります。
観光客や出張者が少なく、今後も需要が増えない地域では、赤字が続くおそれがあります。
収益の改善が難しい場合は、物件の売却や用途変更も検討しましょう。
売却需要が見込める物件は、早めに売ることで損失の拡大を抑えられます。
立地や間取りによっては、賃貸住宅やマンスリーマンションなどへの転用も可能です。
運営コストを見直す
売上が安定していても利益が出ない場合は、運営コストを見直しましょう。
売上が増えても、それ以上に支出が増えれば、利益は残りません。
まずは、運営代行費や清掃費、光熱費などを項目別に整理します。
そのうえで、「それぞれの費用が適正か、削減できる余地がないか」を検討しましょう。
例えば、運営代行会社は複数社から見積もりを取り、料金と業務内容を比較します。
清掃費やリネン費も、部屋の広さや宿泊人数に見合うか確認しましょう。
光熱費や通信費は、契約先や料金プランの変更で抑えられる場合があります。
賃貸物件では、契約更新時に賃料の見直しを貸主へ相談する方法もあります。
ただし、費用を抑えるために、サービスの質を下げすぎてはいけません。
質が低下すると、口コミ評価が下がり、予約の減少につながるおそれがあります。
差別化を図る
競合施設との差別化ができていないことも、民泊で利益が出ない原因です。
ただし、感覚だけで設備やサービスを増やすと、費用が膨らむおそれがあります。
まずは、周辺施設の料金や設備、口コミ、利用者層を調査しましょう。
そのうえで、どのような宿泊者に選ばれる施設を目指すかを明確にします。
そして、対象とする宿泊者が決まったら、ニーズに合った特徴を打ち出します。
例えば、ファミリー層には、広い部屋や調理設備、子供向け備品が効果的です。
訪日外国人には、多言語案内やわかりやすいチェックイン方法が役立ちます。
大型の荷物を置けるスペースも、訪日外国人に喜ばれやすい設備です。
利益を増やすには、誰にでも向けて設備を増やす方法は適切ではありません。
繁忙期や週末の収益を最大化する
閑散期が長く、地域の宿泊需要も少ない民泊は、繁忙期の収益を高めましょう。
年間を通して無理に予約を埋めるより、効率よく利益を確保できる場合があります。
祭りや花火大会、連休、スキーシーズンは、宿泊料金を上げやすい時期です。
周辺施設の料金や予約状況を確認し、需要に合わせて価格を調整しましょう。
適切に料金を設定すれば、1泊あたりの利益を確保しやすくなります。
条例や契約条件に問題がなければ、需要の高い日だけ営業する方法もあります。
週末や祝日を中心に営業すれば、清掃費や光熱費を抑えやすくなります。
管理の手間も減るため、効率的に収益を上げられる可能性があります。
利益を増やすには、稼働率だけを追う方法は適切ではありません。
利益が出ない民泊の改善シミュレーション

利益が出ない民泊でも、次の項目を見直すことで収支を改善できます。
・平均宿泊単価
・稼働率
・経費率
ここでは、年間180日まで営業できる民泊で、1室を運営するケースを比較します。
・年間売上は「宿泊日数×平均宿泊単価」で算出します。
・年間利益は「年間売上-年間コスト」で算出します。
| 項目 | 改善前 | 改善後 |
| 年間営業可能日数 | 180日 | 180日 |
| 稼働率 | 40% | 60% |
| 宿泊日数 | 72日 | 108日 |
| 平均宿泊単価 | 25,000円 | 30,000円 |
| 経費率 | 70% | 60% |
| 年間売上 | 180万円 | 324万円 |
| 年間コスト | 126万円 | 194万4,000円 |
| 年間利益 | 54万円 | 129万6,000円 |
このケースでは、年間利益が54万円から129万6,000円に増えます。
改善後の年間利益は、改善前の2.4倍です。
稼働率を40%から60%に高めることで、宿泊日数は36日増えています。
さらに、宿泊単価を5,000円上げ、経費率を10%下げています。
その結果、年間利益は75万6,000円増加しました。
収益を改善するには、稼働率だけを高めても十分ではありません。
※上記は簡易的なシミュレーションです。適正な数値は物件ごとに異なります。
利益が出ない民泊に関するよくある質問

民泊を運営していると、「思ったより利益が出ない」「このまま続けても大丈夫?」と不安に感じることもあるでしょう。
利益が出ない原因や、改善のためにできることを知っておくことで、今後の運営方針も立てやすくなります。
ここでは、利益が出ない民泊に関するよくある質問とその回答を紹介します。
(2)Q2. 民泊でどのくらい利益が出れば成功といえますか?
Q1. 民泊で利益が出ない場合、まず何を見直すべきですか?
予約数が少ない場合は、掲載写真や紹介文、料金設定、立地条件に問題がある可能性があります。
一方、予約が入っているのに利益が残らない場合は、清掃費や光熱費などが高すぎないか確認が必要です。
売上と経費を項目別に整理し、利益を圧迫している原因から優先的に改善しましょう。
Q2. 民泊でどのくらい利益が出れば成功といえますか?
そのため、一律に「月○万円なら成功」とは言えません。
大切なのは、売上額ではなく、当初想定していた利益が残っているかです。
借入金がある場合は、元金返済を含めた資金繰りも確認しましょう。
まとめ

民泊は、必ずしも利益が出ないビジネスではありません。
宿泊日数や平均宿泊単価、運営コストなどを見直すことで、収益を改善できる可能性があります。
まずは利益を圧迫している原因を特定し、売上とコストの両面から対策を進めることが大切です。
民泊の宿泊日数を増やしたい、運営コストを適正化したいという事業者様は、「& やど管理」にご相談ください。
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