【民泊新法】民泊に届出は必要?許可との違い・届出方法・不要なケースまでわかりやすく解説

民泊を始めたいと考えたとき、多くの人が疑問に思うのが「民泊には届出が必要なのか」という点ではないでしょうか。
結論から言うと、日本で民泊を運営する場合、多くのケースで行政への届出または許可が必要になります。
日本では2018年に住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)が施行され、民泊のルールが明確になりました。
しかし、民泊には複数の制度があり、運営方法によって必要な手続きが異なります。
また、条件によっては届出が不要になるケースもあります。
制度をよく理解せずに始めてしまうと、知らないうちに違法営業になってしまう可能性もあるため注意が必要です。
この記事では、
・民泊に届出が必要な理由
・届出が必要なケース・不要なケース
・民泊届出の具体的な方法
・届出前に確認しておくべきポイント
などについて、民泊初心者にもわかりやすく解説します。
目次
民泊を始めるなら届出は基本的に必要

民泊は比較的始めやすいビジネスとして注目されていますが、日本では宿泊業として法律によるルールが定められています。
そのため、民泊を運営する場合は何らかの届出または許可が必要になるのが基本です。
まずは日本の民泊制度の仕組みと、届出が必要とされている理由を理解しておきましょう。
民泊には3つの制度がある
日本で民泊を運営する場合、主に次の3つの制度のいずれかに基づいて営業することになります。
このように、民泊には複数の制度があるため、運営形態に応じて適切な手続きを行う必要があります。
なぜ民泊には届出や許可が必要なのか
民泊に届出や許可が必要とされている理由は、主に安全管理と地域トラブルの防止です。
宿泊施設として利用する以上、火災や事故などのリスクを防ぐための安全対策が求められます。
また、住宅地で宿泊者の出入りが増えることで、騒音やゴミ問題などのトラブルが発生する可能性もあります。
行政は、こうした問題を防ぐために民泊の運営者を把握し、一定のルールを守った運営を求めています。
届出制度はそのために設けられている仕組みです。
最も利用されているのは民泊新法
個人オーナーが民泊を始める場合、最も一般的なのが住宅宿泊事業法(民泊新法)による届出制度です。
この制度では、住宅を宿泊施設として提供することが認められており、比較的シンプルな手続きで民泊を開始できます。
ただし、営業日数は年間180日までという制限があります。
また、民泊運営では宿泊者名簿の作成、近隣トラブルへの対応、苦情窓口の設置など、一定の管理体制を整えることが求められます。
自分で管理できない場合は、民泊管理会社に業務を委託することも可能です。
そのため、空き家や別荘を活用した副業型の民泊では、この制度が広く利用されています。
無届出営業は違法になる可能性がある
民泊の届出を行わずに宿泊営業を行った場合、無許可営業として違法になる可能性があります。
特に旅館業法に該当する場合は罰則が設けられており、行政から営業停止を求められることもあります。
近年は民泊仲介サイトの普及によって、届出番号の表示が求められるケースも増えており、無届出営業は発覚しやすくなっています。
また、近隣住民からの通報によって行政調査が入るケースもあります。
安心して民泊を運営するためには、必ず正しい制度に基づいて届出や許可を取得することが大切です。
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民泊の届出が必要なケース

民泊を始める場合、基本的には何らかの届出が必要になります。
ただし、利用する制度や運営方法によって必要な手続きは異なります。
ここでは、個人オーナーが民泊を始める際に届出が必要になる代表的なケースについて解説します。
住宅を民泊として貸す場合
自宅や空き家、別荘などの住宅を宿泊者に貸し出す場合、基本的には住宅宿泊事業の届出が必要になります。
そのため、普段は住居として利用されている建物であっても、宿泊客を受け入れる場合は法律の対象になります。
特に、使っていない別荘や相続した空き家を活用して民泊を始めるケースでは、この届出制度を利用するのが一般的です。
届出を行うことで、合法的に民泊を運営できるようになります。
年間180日以内の運営
住宅宿泊事業法による民泊は、年間180日以内の営業という条件があります。
この範囲内であれば、比較的簡単な手続きで民泊を始めることができます。
ただし、自治体によっては独自の条例によって営業日数をさらに制限している場合があります。
例えば、住宅地では平日の営業を制限していたり、週末のみ営業可能としている自治体もあります。
民泊サイトを利用する場合
民泊仲介サイトを利用して宿泊客を募集する場合も、基本的には届出が必要になります。
現在、多くの民泊サイトでは届出番号の登録が義務化されています。
これは違法民泊を防ぐための仕組みで、届出番号がない物件は掲載できない場合があります。
管理代行を利用する場合
管理会社は清掃や宿泊者対応などを代行してくれますが、民泊の届出はあくまで物件の所有者や事業者が行う必要があります。
管理会社が手続きのサポートをしてくれることはありますが、最終的な責任はオーナーにあります。
そのため、管理代行を利用する場合でも、事前に必要な届出を行っておくことが大切です。
民泊の届出が不要なケース

民泊を始める場合、基本的には行政への届出や許可が必要になります。
しかし、すべての宿泊行為が民泊として扱われるわけではありません。
条件によっては届出が不要になるケースもあります。
ただし、判断を誤ると違法営業になる可能性もあるため、どのようなケースが該当するのか正しく理解しておくことが重要です。
旅館業許可を取得している場合
旅館業法はホテルや旅館、簡易宿所などの宿泊施設を対象とした法律であり、営業許可を取得している場合は正式な宿泊業として営業することができます。
この場合は住宅宿泊事業法の届出ではなく、保健所の許可を受けた宿泊施設として運営することになります。
営業日数の制限もなく、通年営業が可能になる点が特徴です。
ただし、フロントの設置や客室面積などの設備基準が厳しく、住宅をそのまま利用する形では許可を取得できないケースもあります。
そのため、個人オーナーの民泊では民泊新法の届出制度が選ばれることが多くなっています。
マンスリーマンションなど長期賃貸
民泊は「宿泊サービス」として提供されるものですが、賃貸契約の場合は「居住目的の賃貸」として扱われます。
そのため、宿泊者ではなく入居者として契約する形になります。
ただし、短期間の宿泊を繰り返すような運営をしていると、実質的に宿泊業とみなされる可能性があります。
契約形態や利用方法によって判断が変わるため、長期賃貸として運営する場合は契約内容を明確にしておくことが重要です。
家族や知人だけを泊める場合
自宅に家族や友人、知人を泊めるだけの場合は、民泊営業には該当しません。
そのため、行政への届出を行う必要もありません。
無償で知人を泊める行為は一般的な家庭の来客と同じ扱いになります。
ただし、知人であっても宿泊料金を受け取っている場合は民泊とみなされる可能性があります。
特にSNSなどを通じて広く募集している場合は営業行為と判断されることもあるため注意が必要です。
自治体条例で民泊が禁止されている場合
特に住宅地では、平日の営業が禁止されていたり、特定の曜日しか営業できないケースもあります。
こうした地域では、届出自体が認められないこともあります。
そのため、民泊を始める前には自治体のルールを確認することが重要です。
自治体の公式サイトや担当窓口で確認することで、営業可能なエリアや条件を知ることができます。
事前確認を行うことで、届出後のトラブルを防ぐことにつながります。
民泊届出の方法(民泊新法)

個人オーナーが民泊を始める場合、最も利用される制度が住宅宿泊事業法(民泊新法)です。
この制度では、営業許可ではなく「届出」を行うことで民泊運営が可能になります。
ここでは、民泊新法による届出の基本的な流れと必要書類について解説します。
届出先は都道府県または保健所
多くの自治体では、オンライン申請システムを利用した手続きが可能になっています。
自治体によっては事前相談を推奨している場合もあり、届出前に相談することで必要な書類や条件を確認することができます。
また、自治体ごとに条例や独自ルールが設けられている場合もあるため、必ず所在地の自治体の情報を確認してから手続きを進めるようにしましょう。
届出に必要な書類
民泊の届出には、いくつかの書類を提出する必要があります。
主な書類としては以下のようなものがあります。
・登記事項証明書
・本人確認書類
・誓約書
・管理業者との契約書(委託する場合)
建物の構造や運営方法によって必要書類が追加される場合もあります。
書類が不足していると手続きが進まないため、事前にチェックリストを確認して準備することが大切です。
届出の基本的な流れ
民泊届出の一般的な流れは次の通りです。
このように、届出番号が発行されてから民泊サイトへの掲載が可能になります。
先にサイト掲載を行うことはできないため、必ず届出を完了させてから募集を開始する必要があります。
届出完了までの期間
民泊届出の手続きは比較的シンプルですが、書類の確認や審査に一定の時間がかかります。
ただし、書類の不備や追加確認がある場合は、さらに時間がかかることもあります。
また、消防設備の確認が必要な場合は、消防署との調整も必要になります。
スムーズに民泊を始めたい場合は、余裕を持って準備を進めることが大切です。
民泊の届出前に確認しておくべきポイント

民泊の届出は書類を提出すれば必ず受理されるわけではありません。
物件の条件や地域のルールによっては、民泊が認められないケースもあります。
スムーズに民泊を始めるためには、届出前にいくつかの重要なポイントを確認しておく必要があります。
用途地域の制限を確認する
民泊を行う際には、まず用途地域の確認が重要です。
地域によっては宿泊施設としての利用が制限されている場合があります。
特に住宅専用地域では、自治体の条例によって民泊営業が制限されているケースもあります。
そのため、物件所在地の用途地域や自治体の民泊ルールを事前に調べておくことが大切です。
マンション管理規約を確認する
近年はトラブル防止のため、多くのマンションが民泊禁止の規約を設けています。
規約で禁止されている場合、届出をしても実際の運営ができない可能性があります。
そのため、マンション物件で民泊を検討している場合は、必ず管理規約を確認しておきましょう。
消防設備の設置
例えば、火災報知器や誘導灯、消火器などの設置が求められるケースがあります。
設備基準は建物の構造や宿泊人数によって異なります。
届出の際には消防署への確認が必要になる場合もあるため、事前に相談しておくと手続きがスムーズに進みます。
近隣住民への配慮
騒音やゴミ出しなどの問題が発生すると、行政から指導を受ける可能性があります。
そのため、宿泊者へのルール説明や緊急連絡先の設置など、トラブル防止の仕組みを整えておくことが大切です。
地域に配慮した運営を行うことで、長く安定した民泊運営が可能になります。
民泊届出をしないとどうなる?罰則とリスク

「届出をしなくても民泊はできるのでは」と考える人もいるかもしれません。
しかし、無届出で宿泊営業を行うことは法律違反になる可能性があります。
近年は取り締まりも強化されており、リスクを理解しておくことが重要です。
無許可営業による罰則
旅館業法に該当する宿泊営業を無許可で行った場合、罰則が科される可能性があります。
具体的には、営業停止命令や罰金などの処分を受ける場合があります。
また、行政から是正指導が入ることで、すぐに営業を停止しなければならないケースもあります。
民泊ビジネスを継続するためにも、必ず合法的な形で運営することが重要です。
民泊サイトからの削除
現在、多くの民泊仲介サイトでは届出番号の登録が必須となっています。
番号がない物件は掲載できない、または後から削除される可能性があります。
無届出物件が発覚した場合、掲載停止やアカウント停止になるケースもあります。
集客の中心となる民泊サイトを利用できなくなることは、運営にとって大きなリスクです。
近隣トラブルによる通報
民泊では騒音やゴミ問題などが原因で近隣トラブルが発生することがあります。
近隣住民から行政に通報されることで、無届出営業が発覚するケースも少なくありません。
行政の調査が入ると営業停止を求められる可能性もあります。
そのため、適切な届出を行い、地域に配慮した運営を行うことが重要です。
税務上の問題
民泊収入は事業所得または雑所得として申告する必要があります。
無届出営業の場合、税務申告をしていないと税務調査の対象になる可能性もあります。
適切な手続きを行っていない場合、追徴課税やペナルティが発生することもあります。
合法的に民泊を運営することは、税務面でも安心につながります。
民泊届出をスムーズに進めるコツ

民泊の届出は決して難しい手続きではありませんが、準備不足によって時間がかかるケースもあります。
スムーズに手続きを進めるためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
最初に自治体に相談する
民泊届出を進める前に、まず自治体の担当窓口に相談しておくと安心です。
自治体によって条例や運用ルールが異なるため、事前に確認することで手続きの流れを把握できます。
また、物件が民泊可能かどうかを確認することもできます。
早い段階で相談しておくことで、届出後のトラブルを防ぐことにつながります。
物件条件を事前に確認する
民泊を行うためには、物件の条件が法律や条例に適合している必要があります。
用途地域、建物構造、管理規約などを事前に確認しておくことが重要です。
特にマンションの場合は、管理規約で民泊が禁止されていることが多いため注意が必要です。
届出をしても実際に運営できないケースもあるため、事前確認が欠かせません。
民泊管理会社を活用する
民泊の運営や届出に不安がある場合は、民泊管理会社を活用する方法もあります。
管理会社は清掃や宿泊者対応だけでなく、届出手続きのサポートを行っている場合もあります。
初めて民泊を行う場合は、専門会社のサポートを受けることでスムーズに運営をスタートできる可能性が高くなります。
収支計画を立ててから始める
民泊は収益性の高いビジネスといわれることもありますが、清掃費や管理費、設備費などのコストも発生します。
そのため、事前に収支計画を立てておくことが重要です。
地域の宿泊需要や稼働率を調査し、現実的な収益計画を作ることで、長期的に安定した民泊運営を目指すことができます。
まとめ

民泊を始める場合、多くのケースで行政への届出または許可が必要になります。
特に個人オーナーが民泊を始める場合は、住宅宿泊事業法(民泊新法)の届出制度を利用するケースが一般的です。
ただし、民泊運営には営業日数の制限や自治体の条例、マンション管理規約など、さまざまな条件があります。
届出前に物件条件や地域ルールをしっかり確認しておくことが重要です。
正しい手続きを行い、地域と共存できる形で運営することで、安全で安定した民泊ビジネスを実現することができます。
民泊を成功させるためには、制度の理解と事前準備が欠かせません。
届出手続きを正しく行い、安心して民泊運営をスタートさせましょう。
